0この計画書の使い方
この計画書は、「何から決めて、どの順番で、誰に発注すればよいか」が分からない状態から、発売日までを迷わず進めるための手順書です。
- 上から順に読めば、全体の流れがつかめるように並べています。
- 金額・期間は中規模のノベル/アドベンチャーゲームを基準にしています。RPG・シミュレーションの場合の違いも各所に書いています。
- 実際の作業は、付属の制作管理シート(工程表・予算表・進捗管理表など)に書き込みながら進めます。
・各ストアの規約は改定されることがあります。登録の前に、必ず各ストアの販売者向けヘルプで最新の内容をご確認ください。
・契約書の作成・法律の判断・税務の判断は含みません。必要なときは弁護士・税理士にご相談ください。
1まず覚える用語
このあと何度も出てくる言葉です。外注先とのやり取りでもそのまま使われます。
- 企画書
- どんなゲームを、どのくらいの量で、いくらで作るかを1〜3枚にまとめたもの。外注先への説明にも使います。
- 仕様書
- 画面の構成・操作・システム(セーブ、回想など)を決めた書類。プログラマーへの指示の元になります。
- プロット
- シナリオの「あらすじ・章立て」。本文を書く前に作り、全体の量と展開を確定させます。
- 立ち絵
- 会話シーンで表示される、キャラクターの全身・半身の絵。
- 差分
- 同じ絵の一部だけを変えたもの(表情差分、服装差分など)。枚数の数え方で費用が大きく変わります。
- イベントCG
- 特定の場面で画面いっぱいに表示する1枚絵。同人ゲームでは費用の一番大きな部分です。
- エンジン
- ゲームを動かす土台のソフト(ティラノスクリプト、RPGツクールなど)。最初に決めます。
- スクリプト
- シナリオ・画像・音声を「どのタイミングで表示・再生するか」をエンジンに書き込む作業。
- マイルストーン
- 「ここまでできたら一区切り」という中間目標。進み具合を判断する基準になります。
- 検収
- 納品物が発注内容どおりかを確認して、受け取りを確定させること。
- リテイク
- 修正の依頼。回数と範囲を最初に決めておかないとトラブルの元になります。
- バッファ
- 遅れに備えた予備の期間。
- α版/β版
- α版=仮素材でも最初から最後まで遊べる状態。β版=素材が揃い、不具合直しだけが残っている状態。
- マスター
- 販売用の完成版データ。
- 体験版
- 無料で配る、製品の冒頭部分。購入の判断材料になる重要な販促物です。
- 予告ページ
- 発売前にストアに公開する作品ページ。お気に入り登録を集め、発売直後の売上を伸ばします。
- サークル
- ストアでの販売者名(屋号)。個人でも法人でも登録します。
2全体の流れと工程表
企画から発売後までを、8つの段階に分けて進めます。
企画書・参考作品調査
エンジン決定
発注書づくり
音楽・プログラム並行
α版→β版
マスター完成
体験版・審査
セール・翻訳版
工程表の例(中規模ノベル・約10か月)
濃い青=主な作業期間、薄い青=準備・打診、橙=販売準備、緑=発売。付属シートの「工程表」はこれを週単位にしたものです。
② 全体の2〜3割をバッファにする:初めての制作では、ほぼ確実にどこかが遅れます。
③ 発売日は予告ページを出す直前まで「目標」扱いにする:外に約束するのは、素材の8割が揃ってからが安全です。
3最初に決めること
外注先に声をかける前に、次の10項目を企画書1枚にまとめます。ここが曖昧なまま発注すると、見積もりも工程表も作れません。
| 項目 | 決める内容 | 決め方のヒント |
|---|---|---|
| ジャンル | ノベル(ADV)/シミュレーション/RPG など | DLsiteの売れ筋はRPGとシミュレーション。ただし制作の難しさ・費用はノベルが一番低い |
| ターゲットと売り | 誰に向けて、どの要素で選んでもらうか | ストアの検索タグで探されることが多いため、「どのタグで見つけてもらうか」まで決める |
| ボリューム | プレイ時間・シナリオ文字数・CG枚数・キャラ数 | 第4章の規模表から選ぶ。CG枚数がほぼ予算を決める |
| 予算の上限 | 総額と、予備費(1〜2割) | 「使える額」から逆算して量を決めるのが基本 |
| 発売時期 | 目標の月 | 工程表から逆算。審査期間(目安2〜4週間)を必ず入れる |
| 販売価格 | 想定価格 | 同じ規模・ジャンルの作品の価格を10本ほど調べて決める |
| エンジン | ゲームを動かす土台 | 下の表を参照。プログラマーと相談して決める |
| 対応環境 | Windowsのみ/ブラウザ・スマホ対応 | スマホ対応はテストの手間が増える |
| 販売先 | DLsite・FANZA同人の両方か、片方か | 独占販売にすると条件が変わる場合があるため、登録前に確認 |
| 対応言語 | 日本語のみ/英語・中国語版あり | 翻訳版を出す予定なら、最初から文字を画像に埋め込まない作りにする |
エンジンの選び方
| エンジン | 向いているジャンル | 特徴 |
|---|---|---|
| ティラノスクリプト | ノベル・ADV | 無料。Windows・ブラウザ・スマホに出せる。同人ノベルでの利用が多く、外注先も見つけやすい |
| 吉里吉里Z | ノベル・ADV | 無料。歴史が長く情報が多い。Windows向け |
| Ren'Py | ノベル・ADV | 無料。多言語対応が得意で、海外販売を考えるなら有力 |
| RPGツクールMZ | RPG | 有料ソフト。素材が豊富で、同人RPGの定番 |
| WOLF RPGエディター | RPG | 無料。自由度が高く、同人RPGで根強い人気 |
| Unity | シミュレーション・アクションなど | 自由度が最も高いが、開発費・期間も大きくなる。独自システムがある場合に選ぶ |
4規模別の期間・予算・売上の目安
まず「どの規模で作るか」を決めると、期間と予算の見通しが立ちます。
| 小規模 | 中規模 | 大規模 | |
|---|---|---|---|
| 想定する作品 | 短編ノベル・ミニゲーム | 標準的なノベル/小〜中型シミュレーション | 本格RPG・シミュレーション |
| プレイ時間 | 1〜2時間 | 3〜6時間 | 10時間以上 |
| シナリオ | 3〜5万字 | 10〜20万字 | 30万字以上 |
| 主要キャラ(立ち絵) | 2〜3人 | 4〜6人 | 8人以上 |
| イベントCG | 10〜15枚 | 25〜40枚 | 60枚以上 |
| ボイス | なし〜一部 | ヒロインはフルボイス | 主要キャラフルボイス |
| BGM | 素材を利用 | オリジナル5〜10曲+素材 | オリジナル15曲以上 |
| 制作期間 | 4〜6か月 | 8〜12か月 | 12〜24か月 |
| 総予算の目安 | 30〜80万円 | 150〜400万円 | 500〜1,500万円 |
| 想定価格 | 1,100〜1,650円 | 2,200〜3,300円 | 3,300〜4,400円 |
※ 外注費の合計です。ご自身の作業時間・広告費・ソフト購入費は含みません。
売上の考え方(試算)
売上は 「価格 × 販売本数 × 手元に残る割合」 で計算します。DLsiteでは価格が高いほど手元に残る割合が上がる仕組みで、公開されている制作者の試算ではおおむね5〜8割(1,000円台で6〜7割、4,000円以上で約8割)です。下の表は、税金・セール値引きを考えない、ざっくりした試算です。
| 規模(価格・手元に残る割合) | 1本あたりの手取り | 慎重に見た場合 | 標準 | 好調 | 元が取れる本数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 小規模(1,320円・約65%)/予算60万円 | 約860円 | 200本:約17万円 | 600本:約52万円 | 2,000本:約172万円 | 約700本 |
| 中規模(2,750円・約75%)/予算250万円 | 約2,060円 | 400本:約82万円 | 1,500本:約309万円 | 5,000本:約1,030万円 | 約1,210本 |
| 大規模(3,850円・約80%)/予算800万円 | 約3,080円 | 800本:約246万円 | 3,000本:約924万円 | 15,000本:約4,620万円 | 約2,600本 |
・年間ランキングの上位作品は1万本を超えますが、ごく一部です。新作の多くは、発売直後は数十本程度から始まります。
・発売後1週間の売上は、最終的な売上の約2割になることが多く、「初週の本数×5」がその作品の最終本数の目安とされています。
・そのため、1作目は「回収よりも、制作の流れを一通り経験する」ことを優先し、小〜中規模から始めるのが安全です。中規模で元を取るには、中央値の約3倍の本数が必要になります。
5パート別の外注方針と相場
パート別の相場(個人クリエイターへの依頼の目安)
| パート | 単価の目安 | 探し方 | 方針・注意点 |
|---|---|---|---|
| シナリオ | 1文字 0.5〜2円 (商業経験者 2〜4円) | ココナラ、クラウドワークス、Skeb、X(#依頼募集 など)、好きな作品のクレジット | プロットと本文を分けて発注する。プロット段階で一度確認し、方向性のズレを早めに直す |
| キャラクターデザイン | 1体 1〜3万円 | Skeb、SKIMA、ココナラ、pixiv・Xの依頼受付、好きな作品のクレジット | 立ち絵・CGと同じ人に頼むと絵柄が揃う |
| 立ち絵 | 1体 1.5〜5万円 (表情差分5〜8種込み) 服装差分 +0.5〜1.5万円 | 差分の数を発注書に明記する。レイヤー分けしたPSDで納品してもらう | |
| イベントCG | 1枚 1.5〜5万円 (差分2〜3枚込み) 追加差分 1枚0.2〜0.5万円 | 予算の中心。人気の絵師は数か月先まで予約が埋まっていることが多く、企画段階で枠を押さえる | |
| 背景 | 素材サイト 0円〜 オリジナル 1枚1〜3万円 | 背景素材サイト、ココナラ | 素材は「有料作品・成人向け作品で使えるか」を利用規約で必ず確認 |
| UI・タイトルロゴ | 一式 5〜15万円 | ココナラ、クラウドワークス、デザイン事務所 | エンジンの仕様に合わせた画像サイズで作ってもらう必要があり、プログラマーとの連携が必要 |
| ボイス | 1文字 2〜5円 (人気の同人声優 4〜8円) 最低料金ありが一般的 | X、Skeb、ココナラ、音声作品のクレジット、同人可の声優事務所 | 台本が確定してから依頼する。宅録の場合は録音環境・納品形式(WAV等)を確認 |
| BGM・効果音 | オリジナル 1曲1〜5万円 素材 0円〜数千円 | 素材サイト、X、ココナラ、Skeb | 小規模なら素材で十分。素材は成人向け作品での利用可否を確認 |
| プログラム(組み込み) | ノベルで10〜50万円 独自システムは別途 | クラウドワークス、ランサーズ、エンジンの利用者コミュニティ | 早めに決める。仮素材で先に動く形を作り、後から素材を差し替えると、遅れに強くなる |
| 翻訳(英語・中国語) | 1文字(日本語原文)2〜8円 | 同人翻訳の専門業者、翻訳者個人 | テキストが確定してから。ゲーム内の画像に文字を入れないよう、最初から設計しておく |
| テスト(デバッグ) | 数万円〜 | 知人、テストプレイ募集、外注 | 作った本人は見落としやすいため、第三者に通しで遊んでもらう |
※ 成人向けの内容は、通常より割増になる場合や、受け付けていない方もいます。依頼前に「成人向け可」かを必ず確認します。相場は数年で上がる傾向にあるため、実際の依頼先の料金表で確認してください。
予算配分の考え方(中規模・総額約260万円の例)
付属シートの「予算表」に入っている例と同じ数字です。数量・単価を変えると自動で計算し直せます。
| パート | 割合 | 金額の目安 | 内容の例 |
|---|---|---|---|
| イラスト(キャラデザ・立ち絵・イベントCG) | 約54% | 139万円 | CG 35枚(1枚3万円)、立ち絵5体、キャラデザ5体、追加差分30枚 |
| シナリオ | 約9% | 22.5万円 | 15万字(1文字1.5円) |
| ボイス | 約7% | 18万円 | ヒロイン計6万字(1文字3円) |
| プログラム(組み込み) | 約12% | 30万円 | 組み込み・調整 150時間 |
| BGM・効果音 | 約5% | 13万円 | オリジナル6曲+効果音素材 |
| UI・ロゴ・販売用画像 | 約4% | 10万円 | タイトル画面・メニュー一式、販売ページ用メイン画像 |
| テスト | 約1% | 3万円 | 第三者のテストプレイ |
| 予備費 | 約9% | 23.5万円 | 小計の10%。追加差分・リテイク・遅れへの対応 |
| 合計 | 100% | 約259万円 |
・予算が足りないときは、CG枚数を減らして差分で補う、BGMを素材にする、ボイスをヒロインだけにする、の順で調整すると、品質を保ちやすいです。
・予備費は必ず残します。「追加で差分がほしい」は、ほぼ確実に起きます。
6発注する順番(パート間の依存関係)
パートごとに「前の工程が終わらないと始められない」関係があります。この順番を守ると、手戻りが減ります。
↓
STEP 2 シナリオライター = プロット(キャラ設定・章立て・CGが入る場面の一覧)
↓ プロットが確定したら、同時に3つ動かす
STEP 3-a イラストレーター = キャラデザ → 立ち絵
STEP 3-b プログラマー = エンジン決定・仮素材で試作版づくり
STEP 3-c シナリオライター = 本文執筆
↓ シナリオが場面ごとに確定したら
STEP 4 イベントCG(確定した場面から順に発注)/ UI・ロゴ / BGM(場面一覧をもとに並行)
↓ シナリオ本文が全部確定したら
STEP 5 ボイス(確定台本で収録)
↓ テキストを確定(以降は変更しない)
STEP 6 翻訳(予定がある場合) / テスト
・イラストレーターへの打診が遅れる → 人気の方は予約が数か月先です。発注はSTEP 3でも、打診と枠の確保はSTEP 1〜2の段階で行います。
・プログラマーを最後に探す → 素材が揃ってから組み込みを始めると、不具合が発売直前に集中します。仮素材で早めに動かしておきます。
7委託先の選び方
選ぶときのチェックポイント
- 今回と同じジャンル・テイスト(成人向けを含む)の実績があるか
- 「成人向け可」「商用利用可」が料金表や規約に明記されているか
- 料金表・依頼の受付ルール(修正回数、納期の目安)を公開しているか
- 最初の問い合わせへの返信が、2〜3日以内に来るか
- 見積もりの内訳が明確か(差分の数え方、追加料金の条件)
- 途中段階(ラフ・線画)の確認に応じてくれるか
- 実際に完成・発売まで関わった作品があるか(クレジットに名前があるか)
- 生成AIの使用有無を確認し、こちらの方針と合っているか
- ポートフォリオの絵柄が揃っているか(他人の作品の転載・トレースの疑いがないか)
トラブルになりやすい相手の特徴
- 条件を文章で残すことを嫌がる、または条件が毎回あいまい
- 返信が数日おきで、締切の確認にも答えない
- 実績が少ないのに、全額前払いだけを強く求める
- SNSで依頼主や他の案件への不満を公開している
- 過去の作品で、発売延期・クレジットをめぐる揉めごとの形跡がある
- 見積もりが相場より極端に安い(途中で連絡が途絶えるリスク)
8発注時に取り決める項目
口頭やチャットの流れで決めず、発注書(1件につき1枚)にまとめて、双方で確認してから着手してもらいます。付属シートに「発注書テンプレート」があります。
| 項目 | 決める内容の例 |
|---|---|
| 作業範囲 | CG○枚、差分○枚、文字数○字、曲数○曲。「差分」の数え方も書く |
| 納期 | 完成の締切だけでなく、途中段階の締切(ラフ/線画/完成、プロット/初稿/確定稿) |
| 修正(リテイク) | 段階ごとの無料修正の回数、それを超えた場合の料金、大きな方向転換の扱い |
| 納品形式 | 画像:PSD(レイヤー分け)+PNG、解像度。音声:WAV、サンプリング周波数。テキスト:形式・ファイル名ルール |
| 支払い | 金額(税込・税抜)、支払い時期(前払い・分割・検収後)、方法 |
| 権利 | 著作権を譲ってもらうのか、利用を許可してもらうのか。利用範囲(翻訳版、全年齢版、他ストア、宣伝、グッズ、続編) |
| クレジット | 作中・販売ページでの名前の表記、表記の可否 |
| 実績公開 | 制作者が自分の実績として公開してよい時期(発売後など)と範囲 |
| 秘密保持 | 発表前の情報を外に出さないこと |
| 内容の範囲 | 成人向け表現の範囲、NG事項の確認 |
| 生成AIの扱い | 使用してよいか、使用する場合の申告 |
| 中止・遅延時 | 途中でやめる場合の支払い、遅れそうなときの連絡期限 |
※ 契約書としての有効性や法的な判断は、必要に応じて弁護士にご相談ください。ここでは「話し合っておくべき項目の一覧」としてまとめています。
9進行管理のやり方
使うツール(最初はこれだけで十分です)
| 用途 | おすすめ | 使い方 |
|---|---|---|
| 進捗管理表・工程表 | Googleスプレッドシート | 付属シートを取り込んで使う。委託先には「閲覧のみ」で共有も可 |
| ファイルの受け渡し | Googleドライブ | パート別フォルダ +「作業中」「確定」の2段階で分ける |
| 連絡 | 依頼したサービスのメッセージ機能、またはDiscord・Chatwork | 委託先ごとにやり取りの場所を1つに決め、決定事項は文章で残す |
| (慣れてきたら)タスク管理 | Trello、Notion | カードで「未着手/作業中/確認待ち/完了」を見える化 |
指示の出し方
- 1件の発注=1枚の指示書にまとめる(目的、参考画像、NG、サイズ、締切、ファイル名ルール)。
- イラストは「このキャラの性格・この場面の状況・見せたいポイント」を言葉で書き、参考画像を2〜3枚つける。
- 修正依頼は、気づいたものを一度にまとめて、画像に赤字で書き込んで伝える。小出しにしない。
- 好みの話(もう少し明るく)と、仕様の話(差分が足りない)を分けて伝える。
進捗確認の頻度
- 週に1回(例:毎週金曜)、全委託先に短い進捗報告をお願いする(「今週やったこと/来週の予定/困っていること」の3行)。
- 途中段階の締切(ラフ・プロット)を必ず設定する。ここで遅れていれば、完成も遅れると判断できます。
- 進捗管理表は、報告を受けたその日に更新する。
マイルストーンの切り方(中規模の例)
| No. | マイルストーン | 達成の基準 | 目安 |
|---|---|---|---|
| M1 | 企画確定 | 企画書・予算・工程表ができている | 1か月目 |
| M2 | プロット・キャラ確定 | 章立て・CG場面一覧・キャラ設定が確定 | 2か月目 |
| M3 | 試作版 | 仮素材で、主要な画面とシステムが動く | 3か月目 |
| M4 | シナリオ確定 | 全文が確定し、ボイス台本を作れる | 5か月目 |
| M5 | α版 | 仮素材を含め、最初から最後まで遊べる | 7か月目 |
| M6 | β版・体験版 | 全素材が揃い、不具合直しのみ。体験版を切り出す | 8か月目 |
| M7 | マスター | テストが終わり、販売用データが完成 | 9か月目 |
| M8 | 発売 | 審査を通過し、販売開始 | 10か月目 |
検収・リテイクの基準
- 検収は発注書の項目と1つずつ照らし合わせる(枚数・差分数・サイズ・形式・内容)。付属シートの検収チェックを使います。
- 修正は2種類に分ける:発注書と違う(無料で直してもらう)/新しい要望(追加料金の相談)。
- 完成段階での大きな修正は費用も時間もかかるため、ラフ・プロットの段階でしっかり確認しておきます。
- 受け取りから何日以内に検収するかを決めて、守る(例:3営業日以内)。
遅れが出たときの対処
- 早く気づく:途中段階の締切を過ぎたら、その日のうちに状況を確認する。
- 事実を確認する:どこまでできているか、あと何日かかるかを聞く。責めずに、新しい完了日を一緒に決める。
- 影響を見る:工程表上、その遅れが後ろの工程(ボイス・組み込み)にどう響くかを確認する。
- 入れ替える:遅れていないパートの作業を前倒しする。プログラムは仮素材で先に進める。
- 代わりを検討する:2回以上連絡が取れない、または大幅な遅れが続く場合は、候補リストの次の方に相談する。
- 最後の手段:量を減らす(CG枚数・差分)か、発売日を動かす。予告ページを出す前なら、発売日の変更は大きな問題になりません。
10素材の受け取り〜組み込み〜テスト
問題があれば修正依頼
「確定」フォルダへ
ゲームに入れる
差分の切り替え
全分岐・全CG回収
直したら再確認
体験版も切り出す
ファイル名ルールの例
例:cg_03_b.png(イベントCG 3番の差分b)、st_hina_smile.png(ヒナの立ち絵・笑顔)、vo_hina_0012.wav(ヒナのボイス12番)。最初に決めて、全委託先に伝えておきます。
テストで確認すること
- 最初から最後まで、すべての分岐を通して遊べるか
- すべてのCG・回想が回収できるか
- ボイスと文章が合っているか(読み間違い・抜け)
- 誤字・脱字、表示の崩れ
- セーブ・ロード、設定画面(音量・文字速度)が正しく動くか
- 別のPC(できれば2〜3台)で起動できるか
- 体験版から製品版へ、セーブデータを引き継げるか(引き継ぐ仕様の場合)
- ストアの表現ルール(修正の入れ方など)に合っているか
11DLsite・FANZAの販売準備
「DMM」の同人作品は、DMMの成人向けブランドFANZAの「FANZA同人」で販売します。DLsiteとFANZA同人は、それぞれ別にサークル登録が必要です。
販売準備のスケジュール(発売日から逆算)
| 時期 | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 発売の3〜4か月前 | サークル登録(DLsite・FANZA同人) | 購入用とは別の販売者アカウント。本人確認書類・振込先口座が必要。審査に数日かかるため早めに |
| 2〜3か月前 | 販売ページの素材づくり | メイン画像、サンプル画像、タイトル、紹介文、タグ、価格を決める |
| 1〜2か月前 | 予告ページの公開 | お気に入り登録を集める。SNSでも告知を開始 |
| 予告と同時〜発売2週間前 | 体験版の公開 | 購入を迷っている方の後押しになる |
| 発売の1か月以上前 | 製品版の登録・審査申請 | 作品の審査は目安10〜25日(混雑する月末・中旬は延びやすく、FANZAでは1か月近くかかったという声もある) |
| 発売日〜1週間 | 販売開始・初週の動きを確認 | 初週の本数×5が最終本数の目安。不具合の報告にすぐ対応できるよう空けておく |
| 発売後 | 不具合修正版の更新、セール参加、翻訳版 | 翻訳版で海外の購入者に広げる方法もある |
・生成AIを使った素材がある場合の申告ルール(DLsiteには「AI生成作品」の専用の扱いがあります)。
・成人向け表現の修正(ぼかし等)の基準。
・手数料・支払いの条件。
いずれも改定されることがあるため、各ストアの販売者向けヘルプで最新の内容をご確認ください。
12最初の1か月でやること
- 同じジャンルの売れている作品を10本調べる(価格・CG枚数・タグ・販売ページ)
- 体験版を3〜5本遊んで、ボリューム感をつかむ
- 企画書1枚(第3章の10項目)を書く
- 規模を決め、付属シートの「予算表」に入力
- 発売目標から逆算して「工程表」を作る
- エンジンを仮決めする
- パートごとに候補を3〜5人リストアップ
- シナリオライターに打診・発注(プロットから)
- イラストレーターに打診し、予定の枠を押さえる
- 発注書テンプレートを自分用に整える
- プロットを受け取り、確認・修正依頼
- キャラ設定を確定し、キャラデザを発注
- プログラマーを決め、試作版づくりを依頼
- Googleドライブのフォルダとファイル名ルールを準備
- サークル登録の必要書類を確認
13付属シートの使い方
付属の「制作管理シート.xlsx」は、そのままGoogleスプレッドシートに取り込んで使えます(Googleドライブにアップロード →「Googleスプレッドシートで開く」)。
| シート名 | 内容 |
|---|---|
| 使い方 | 各シートの説明と入力ルール |
| 工程表 | 週単位の工程表。開始週・期間を入れると色がつく |
| 最初の1か月 | 第12章のチェックリスト |
| 予算表 | パート別の数量×単価で自動計算。予備費・合計も自動 |
| 売上試算 | 価格・手元に残る割合・本数を入れると、売上と元が取れる本数を自動計算 |
| 相場・外注方針 | 第5章の相場と探し方の一覧 |
| 委託先候補リスト | パートごとの候補・連絡状況・チェック結果 |
| 発注書テンプレート | 第8章の項目を埋めるだけの発注書 |
| 進捗管理表 | 素材1点ごとの状態(未発注〜組み込み済)と締切。遅れは赤く表示 |
| 不具合・課題一覧 | テストで見つかった不具合と、遅延などの課題の記録 |
14作成者について
LYCデザインは、Web制作・システム開発・ゲーム開発を行っています。現在、自社でもDLsite・FANZAでの販売を視野に入れたゲームの開発を計画しており、この計画書はその準備のために行った調査をもとにまとめたものです。
制作のなかで、プログラム(エンジンへの組み込み・システム開発)、UI・ロゴなどのデザイン、英語・中国語の翻訳、テストなどをお手伝いできます。
ご連絡は、ご依頼いただいたサービスのメッセージ機能からお願いいたします。